第11回『ほるほる』有資格者の部に参加して

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P1020852.JPG  11月3日、第11回 歯型彫刻コンテスト「ほるほる」が開催され、今年も技工に対して前向きに向き合おうとしている若い技工士たちが大勢参加して、互いの歯型彫刻の腕を競い合った。

 一昨年までの有資格者の部の出題は、競技の直前に彫刻部位を発表し90分の制限時間内に課題の部位を自分が理想型であろうという形態を彫刻し、それを解剖学的、機能的にどれだけ要件を満たしているかを競う方式を採っていた。しかし昨年その方式を変え競技直前に天然歯の模型を配りその逆側(反対側)を模刻する方式で行なわれ、さらに今年は新たな方式でのコンテスト開催となった。今回は事前に神奈川県歯科技工士会のホームページ上で出題する天然歯模型の写真を発表し、それの逆側(反対側)を彫刻するというものだった。
 まず感じたのは、平面の写真から立体を創り出すのはどれほど難しいのだろうかという疑問だった。と言うのも、そのような練習は今まで行ったことも聞いたこともなかったからである。部位は上顎右側第一大臼歯で、写真は頬側、舌側、近心側、遠心側から撮影した4枚。斜めの角度から見た形態は写真を参考に自分でイメージして彫刻しなければならない。


P1020842.JPG 最初に悩んだのは斜めからの形態と咬合面のファセットだった。顎運動を考慮し、角度と咬耗の度合いを決めて形態を付けなければいけない。今回の課題にこのモデルが使用されたのは、機能と経年による歯牙の変化をも理解させようという狙いがあるのではと感じた。
 日常の臨床において、生まれたての形態そのままの歯列というのはあり得ない。このような機会に、顎運動を考えながら彫刻をすることで口腔内でより調和する補綴物を製作するための良いステップの機会になった。

 「ほるほる」の競技後の表彰式までの間に、県内の著名な一流技工士の先生によるアドバイス会および昨年度の最優秀賞を受賞された湯本豪一氏による講演が行われた。
 アドバイス会で僕は、遊亀裕一先生に競技で彫刻した歯牙を見てもらい様々な指摘をいただきとても勉強になった。湯本氏の講演では歯型彫刻を練習する上での注意点やご自身が意識しているポイントを説明され、クロージャーストッパーやイコライザー、咬頭を受け止める、噛ませるなどと、機能を考えながら形を作ることが大切であり、「機能的に彫刻することが出来れば美しい歯牙ができる」とお話された。

丸一日を通じて歯牙の形態について触れることができ、とても有意義な時間を過ごすことができた。若い技工士の減少など業界内には暗い話題も多い中でも、これだけ大勢の"自ら休日を使い勉強をしてスキルアップを志す人達"がいる。その現実がとても励みになった。

㈱コアデンタルラボ横浜 小暮 彰

 

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